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十勝岳の火山噴火
防災への展望

■地震予知情報公開第2号
2001年07月31日現在

1.富士山大噴火説について、先の地震予知情報第1号でお知らせした通りで、未だこの山の火山噴火の予兆も、マグマの移動に伴う火山性微動・火山性地震などの前兆シグナルの異常は、スッポンの行動データからは見られない、したがって当分の間噴火する心配はないと思考している。

2.火山噴火予知に実績のない、文部科学省の技術系官僚が予算要求の手段として富士山大噴火説の幻想を一部のマスコミにリークしたと、報道されていたそれが事実であるなら、故意に人々の不安心理を撒き散らしたとしか考えられない。富士山噴火説の根拠となっている、低周波地震の定義は国際地震学会の合意の上に成り立つものと理解している。実証性に乏しく、単なる学問的仮説で問題の本心を捉えようとしたことに、無理があったように考えられる。したがって、あまりにも唐突であると批判されても、いたしかたないであろう。

3.嘘(うそ)八百について、小松左京さんは1877年(昭和52年)月刊「自由民主」12月号の『地震予知について』座談会で、次のように述べていたと記憶している。

出席者(敬称略)
力武  常次    東京工業大学教授
小松  左京    作家
野地  紀一    清水建設社長
司会  佐々木 勝朗    防災評論家

『昔中国では、何をしても良い自由な時代があつた、しかしその時代の中国ですら。大きい地震がくるぞう……とか、狼がくるぞう……とか、人心を惑わす行為をした人々にたいしては、大変厳しい罰が用意されていた、と話題を提供されていた。流言蜚語の原因となった人々は、時の為政者に依ってみな打ち首になったと事例を述べていた。』
1877年(昭和52年)当時の日本では勝手気侭なしかも無責任な、今日的行為行動が横行する時代になるとは、誰も予想できなかった。しかも、日本社会ではもっと理性が働くものと信じられていた。したがって、あの時は司会者である筆者が編集の都合でボツにしてしまった。先見性の無さに深く反省している。

4.最近は、災害や環境などのテーマについて、国際間の合意が図られる方向性を帯びている。そういう時代の流れを我々は、どう評価すべきか深考するべきでないだろうかと問いたい。何か忘れ物をしたような気がしてならない、昨今である。  
地震予知や火山噴火予知について、計測計器を中心とした日本政府各機関や学会などでの学問の展開は、最近では永遠にその目的を達成できないと諦めている専門家が意外に多いのは何故だろう。

5.本来学問の研究者は、所属の大学や地震学会などで研究論文を発表するという地味な方法論の展開であるべき姿なのに、マスメデアを利用し確たるデ-タの裏付なしに、誇大に情報公開をしていることは正常な姿といえるだろうか。そのような動きでない、哲学・倫理観を対象に深遠さのある対応を模索しないと、国民からの信頼を完全に失う時代へと大きく変化しているように思える。
マスメデア側も取材と報道基準を持して慎重に対応すべきであろう、あたら未来性のある若い研究者は育ちにくい環境にあるように考えられる。

6.東京大学名誉教授で2代目地震予知連会長の浅田敏先生と、目白のCOFFEE館での雑談で先生は「某大の名誉教授でありながら、政府外郭団体の職員となり、高給をとり研究を放棄している人が居る、発言の内容は吟味のないままで、地震学はそこまで稠密(ちょうみつ)になっていない、彼は本来学者ではないでしょう。」と先生としては珍しく強い調子で語っておられた。それから間もなく、先生は他界された。

以上

岩手大学での研究発表中の筆者

岩手大学での研究発表中の筆者

 

2005年05月06日更新
佐々木 勝朗

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